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「サヴァン症候群」という病気を聞いたことがある人も多いと思う。
この病人は知的障害を伴う自閉症のうち、ごく特定の分野に限って、常人には及びもつかない能力を発揮するらしい。映画「レインマン」にてダスティンホフマンが演じた役もこれにあたる。
病気とまではいかないが不思議な話を聞いた。我々人間は常に何かを学ぶと動物としての本能を失う(厳密には一時忘れる)らしい。目にしたものの一瞬の記憶を学問を始めた若年者と自然とともに生きる若年者を比べるとその能力は自然とともに生きる若年者に軍配があがるらしい。
先進国に生きる術を身につける度に、人間の本能を置き忘れるらしいのだ。東南アジアなど交通整備ができていない危険だけの国に生きる人々は、危険を感じとる能力が信号に頼る我々日本人より高いだろう。どちらがいいとは言えないが、現代は今自分が置かれている現状を客観的に把握し、自分の意識にてコントロールする力が求められているのかもしれない。
現代は都会病ともいえる、精神的やまいが多い。これも我々が戦うべき相手だ。
いや、ともに歩くべき相手なのかもしれない。
歩むべき道は険しく長い。だが、しかし歩こう。今を、今、私がいるここを歩こう。
時には、力士の如く己の力をぶつけ合い、自らの力と勇気を振り乱し、生きる力を試すことも必要なのだとも感じる。